3つの「アイ」に魅せられて
2024.11.07 - Topics皆さん、お疲れ様です。
秋も深まり木々が色づき始める季節となりました。
新涼を感じて、カーディガンを1枚羽織って外で散歩するのが適温な今の時期が私は1年で最も好きな季節です。
今回は「芸術の秋」にちなんで、現在開催中で先日鑑賞してきた、ベルリンを拠点に世界で活躍している現在美術家「塩田千春」の個展を紹介していきます。私は作品を一目見た瞬間から強烈に惹きつけられた現代美術家で、「生と死」という人間の根源的な問題に向き合い、赤い糸を用いたダイナミックなインスタレーションで知られています。 塩田氏の作品は、彼女自身の人生と深く結びついて流産やガンとの闘病を経験し、自分がバラバラになった感覚を作品に昇華させているように感じます。 16年振りに出身地大阪で大規模な個展の開催ということもあり、大阪での展示を心待ちにしていた方が多く連日混雑しているようです。 本展は、全世界的な感染症の蔓延を経験した私たちが、否応なしに意識した他者との「つながり」に、3つの【アイ】-「私/I」、「目/EYE」、「愛/ai」を通じてアプローチしようというものです。 作品を何点か載せます。※館内での撮影はOKですが、一部撮影不可の作品もあります。
《インターナルライン》 エスカレーターで5F展示場に昇っていくと、会場入口に展示されている真っ赤な世界が広がり、天井からの無数の赤い糸が妖艶の中に恐怖を感じてゾワゾワしました。
《巡る記憶》 展示作業に最も時間がかかった作品で、私が一番見たかった作品です! 赤い世界とは一転して天井から側面に白い糸を巡らし、水をはったプールに無数の白い糸が写り込み、水の雫がぽたりぽたり落ちて波紋が広がる記憶の循環をテーマにしたインスタレーション。
《繋がる輪》 1枚1枚が鳥のようにもみえるメッセージを赤い糸でつないだ作品。 また他にも過去に制作した絵画作品や、現在進行形で手掛けている新聞小説の挿絵も展示されています。
日々の生活では味わえない魂を揺さぶる作品ばかりで、私はこういった現代アートを通して新しい発見や刺激をもらっています。 作品のスケールが大きいだけではなく、作品の持つ力が大きく、そこに込められたものが迫る展覧会ですので、 芸術に興味がなく普段美術館に行く機会のない方、絵画や芸術作品を鑑賞しても難しくて苦手と毛嫌いする方にも楽しめる個展だと思います。
会場:大阪中之島美術館 5階展示室
開場時間:10:00 – 17:00(入場は16:30まで)
開催期間:2024年9月14日(土)– 2024年12月1日(日)
休館日:月曜日、9/17(火)、24(火)、10/15(火)、11/5(火)
*9/16(月・祝)、23(月・休)、10/14(月・祝)、11/4(月・休)は開館
観覧料: 一般2000円(前売・団体・平日 1800円) 高大生:1500円(前売・団体 1300円) 中学生以下 無料
【営業部:C】